ホーム > 活動レポート > 経営士 阿部 満

活動レポート

コンサルタント活動レポート

経営士 阿部 満

会員の皆様から要望がありました第一線で活躍されている会員の活動をご紹介いたします。
第一回は2年前に40歳で勤務先を早期退職して独立開業された阿部満会員(南関東支部)に本会の高橋栄一副会長がインタビューしました。今後毎回号の活動状況を紹介していきますのでご期待下さい。

1. 簡単にご経歴をお聞かせください。
Q: 簡単にご経歴をお聞かせください。
A: 富士ゼロックスIT関連企業の営業職後、京セラIT関連企業で事業開発部長、経営企画部長、コンサルティング部長を経て、特定非営利活動法人ITコーディネータ協会専務理事スタッフに従事しました。 そして、約2年前に独立し、中堅・中小企業とIT系企業に対してのITコンサルティング活動や全国各地でのセミナー講演・研修講師活動、そして各種新聞・雑誌、メルマガ記事などの執筆活動を行っています。
Q: 著書もお書きのようですね。
A: はい!稚著でお恥ずかしいのですが、産業能率大学出版部より「IT経営可視化戦略」、と中小企業診断士や経営士(経営コンサルタント)と縁が深い同友館からも「IT経営実践の知識(同友館)」を出しています。
Q: 経営士以外にどんな資格をお持ちですか。
A: 経営士以外と言えば、「ITコーディネータ」の資格ですね。ITコーディネータは私がIT企業に勤務して平成18年に取得したものです。
2. どんな動機で独立されたのですか。
Q: いつから独立されたのですか?
A: 私が独立したのは平成20年9月からです。
独立前の直近に関しては、1年半程度、特定非営利活動法人ITコーディネータ協会の職員として協会に勤務しておりました。
その関係で協会の仕事を半年間、残りの半分を独立コンサルタントとして活動していました。
Q: では正式には平成21年の4月頃からということですね。
A: そうです。おおよそその頃から100%独立コンサルタントとして活動をスタートしました。現在、ありがたいことに3期目を迎えることができました。
Q: 独立の動議はどんなことですか?
A: 実は私が30歳の前半富士ゼロックスIT関連企業に従事していた時から40歳で独立しようと計画していました。
正式に独立はちょうど40歳ですので、有言実行できたと思います。動議は一言で私の子供の時の経験です。
私の父は新潟の三条市という金物の町で工場の経営していました。経営と言っても工場で作業を行うのが中心でした。
そんな工場ですが第二次オイルショックを経て、仕事が激減、その後、やむなく廃業しました。それを体験して、私は中小企業とは簡単に潰れるものだと理解しました。
そんな子供の経験が、中小企業を救う仕事である経営コンサルタントを目指しこの道に進んだ最も根本的な動議なんです。
3. 独立コンサルタントとしての業務
Q: どんな業務の経営コンサルタントを行っていますか。
A: そうですね。まず私の仕事の割合と考え方を先にお話した方が宜しいようですね。
私の経営コンサルタント業としての考え方は約4割がコンサルティング業務、4割を講演活動やセミナー講師、残りの約2割に執筆業務と考えています。
この中で私自身はコンサルティング業務と講演活動やセミナー講師で8割程度として考えています。それだけ実は講演活動やセミナー講師を重視しています。
Q: おおよそで結構なので顧問先は何社持っていますか。
A: 顧問先ですが独立後約2年間で簡単な診断やアドバイスを含め40社以上対応致しましたが、毎月5社程度対応できるように努力しています。
Q: ではセミナーは月間何回開催されていますか。
A: 講演活動やセミナー講師は全国各地の商工会議所、商工会、商工会連合会、全国中小企業団体中央会など公的機関を中心に対応しています。
また最近では、私の年代では非常に稀なケースかも知れませんが、中小企業大学校などから依頼されることもあります。これらを平均すると毎月では最低5日~最高10日対応しています。
4. お客様開拓はどんな方法で行っていますか。
Q: お客様開拓はどんな方法ですか?
A: 簡単に一言で言えば人脈である仲間作りと自分を使って貰える組織との連携です。
Q: では仲間作りの方からもう少し説明して貰えますか?
A: 仲間作りとは同業者のコンサルタント方もそうですが、クライアントなどのことです。
まず、経営コンサルタント業は自分一人が良ければそれでいいという世界ではありませんよね。
そうすると自分以外の専門家との仲間作りも大切です。またクライアントもそういった意味ではお客様を紹介していただく仲間と考えてもよいでしょう。
Q: ではちょっと深くお聞きしたいのですが自分以外の専門家はどんな専門家ですか?
A: はい。私はITが専門ですが、できればITであればIT以外の専門家と付き合いを広げるのが手だと思います。
Q: それはなぜですか?
A: 私の場合であればIT以外の専門家とお付き合いすれば、お付き合いしている専門家から見れば私はITの専門家なので、ITの事は"阿部先生"に相談しようとなるわけです。
逆に私がITの専門家とばかり付き合えば、ITは自分でできるので相談がこないわけです。
逆も然りでクライアントの要請で"生産現場を効率化したい!"との声があれば、生産管理が得意な先生に私が紹介できるわけです。
Q: それ以外での組織との連携とはどのようなことですか?
A: まず自分の専門性を限りなく高める必要があります。
やはり専門的な政府機関や公的機関などから直接に声が掛けられる人材となると、その道では一流になる必要があります。そういった意味では独自したてでは難しいでしょう。
そこで、一つ直販を生み出すために、ホームページやブログ、メルマガ(これをWeb三種の神器と私は名付けています)を有効に活用するのが手です。
このようにWebの三種の神器を用意し、極力、自分の事をいつも客観的に観察し、他の専門家よりも強い所や差別化要因を見つけ出し、対外的にアピールする努力が必要でしょうね。
そして、直接のクライアントでなくとも、経営コンサルタント使う組織からお声を掛けて頂くのも手です。
5. 在職中、独立開業するためにどんな準備をされましたか。
Q: 在職中、独立開業するためにどんな準備をされましたか。
A: 先にお話した繰り返しになるのですが、まず人脈である仲間作りと自分を使って貰える組織との連携作りに専念しました。
そういった意味では、ITコーディネータを取得した後、この経営士会に入会したのは仲間作りを大切にする私の考え方でもあるわけです。
Q: それ以外はどうですか?
A: こちらも先にお話しましたがWebの三種の神器で直接、案件を獲得や連携組織から声を掛けて頂く努力もしました。それと一般的に創業前の準備として事業計画などを考えながら徐々に準備をしてきました。
6. 収入面では独立前と独立後で比較していかがですか。
Q: 収入面では独立前と独立後で比較していかがですか。
A: "私はお金が欲しくて、独立をしたわけではないです"この話をする際には、まずはそうお話します。その上で、実際は売上高でみれば、独立後2期目は独立前より多いです。
但し、収入が多い少ないで経営コンサルタントの真の力は解りませんし、多いや少ないで考えないで、独立をした当初の理念やビジョンなどをきちんと人生の軸として経営コンサルタントとして生きていこうと思います。
7. 一日のお仕事のスケジュールはどんな内容になっていますか。
Q: 一日のお仕事のスケジュールはどんな内容になっていますか。
A: 基本的には毎日違ったスケジュールですが10月のとある日の行動スケジュールをお話します。
(AM)
06:00 起床(メールチェック。時間があればブログ更新)
07:00 朝食。出発の準備対応
08:00 クライアント企業への電車移動
09:00 移動中の電車で企画書等の資料チェック
10:00 クライアント着
11:00 コンサルティング業務(HP改善企画書提示)
12:00 コンサルティング終了。午後の講演先への移動

(PM)
13:00 セミナー講演会場到着
14:00 講演先との打ち合わせ。準備対応
15:00 講演開始(テーマ:中小企業へのIT化の支援:IT経営力大賞支援方法)
16:00 講演中
17:00 講演終了。勉強会先(ITコーディネータ資格者組織)への移動
18:00 勉強会先到着。準備
19:00 勉強会講師。講演中(テーマ:SaaS型CRMマーケティング活用手法)
20:00 講師終了。他の講師講演受講。
21:00 勉強会終了。懇親会参加
22:00 帰宅
23:00 就寝
Q: 日々大変忙しく活動されているのですね。逆にこれだけ仕事をしていては、クライアントへの企画書やコンサルティング報告書、また講演の資料などいつ作成されているのですか?
A: 基本的には年中無休の考えで、土日に段取りである資料などを作成しています。逆に仕事があるのは経営コンサルティング業としてはありがたく感謝すべき事ですよね。
同時に、先のスケジュールは毎回ではなく、通常は午前か午後にコンサルティング活動や講演、セミナー講師を対応し、半日は段取りをしたりしていますよ。
逆に時間がある日は休日として捉え、奥さんが暇な時は一緒に昼食に出かけたりしていますよ。夫婦円満がこの経営コンサルティング業のキーワードだとも思ってます(笑)
8. 経営士会に入会された動機は何ですか。いつ入会されましたか。
Q: 経営士に入会された動機は何ですか?
A: 私の場合、経営士以外の資格のITコーディネータ取得者と大きく違い、経営士の方々は中堅中小企業から独立された方々や中小企業経営者方々、そして中小企業への経営コンサルタントの方々も多いためいろんな情報交換やお仕事を一緒にできるのではないかと考え経営士に入会しました。
Q: いつ入会されましたか?
A: 平成19年の12月です。ITコーディネータ資格が平成18年12月ですからちょうど1年後に経営士を取得し、経営士会に入会した計算ですね。
9. 入会されてどんな点が良かったですか。
Q: 入会されてどんな点が良かったですか?
A: はい。私はITを中心とした経営コンサルタント、いわゆるITコンサルタントを中心対応していますが、中小企業は様々な経営課題をお持ちです。
経営士の先輩方のお話を聞いたりしていると、非常にそれらのクライアントの経営課題解決の糸口が見えてくる時もあります。
また、経営士会内ではITの専門家という認識ができてきて、農商工連携拠点事業、平塚商工会議所、大和商工会議所、神奈川県会、組織開発研究会、販路開拓マーケティング研究会など国や商工会議所、経営士会勉強会やセミナーでの講師の依頼を頂き、終了後、多くの経営士の先生と人脈作りやお話をする機会を頂きました。
これはITコーディネータ資格者とは違った視点での経営コンサルタントの情報が収集できたと思っています。
10. 経営士会への要望をお聞かせください。
Q: 最後に経営士会への要望をお聞かせ下さい。
A: 私のような若輩者が経営士会といった長い歴史の会に要望を述べる立場ではありませんが、一言だけ要上げるならばこんなことですね。
私は今、42歳です。
まだまだ年齢も若いと思っています(笑)但し、経営士会の将来についてもっと若い方々が入会される事を行って頂きたいです。
いずれにしましても、どのような資格であろうと資格を取得するにはお金、時間が掛ると同時に大変な精神的なプレッシャーがありますよね。
私はITコーディネータ協会という協会の職員でもありましたので、資格保有者を増加させる苦労は一般の経営士会の皆さまよりも存じ上げております。
その分、経営士会のメリットと言いましょうか。経営士会の取得意義をもう一度、独立された経営士の先生や独立前の経営士の方々と一緒に考える場を持たれたら宜しいと思います。
同時に、独立をされなくとも企業内経営士でも活動できる場を提供できるようにして上げて頂ければと思います。
Q: 長いインタビューにお請けいただきありがとうございました。
A: こちらこそありがとうございました。経営士のこれからの発展に多少なりとも寄与できれば幸いです。ありがとうございました。
特許庁からのお知らせ